2013年11月3日日曜日

吉本ばななのキッチンを読み、思い返す。 ※内容のspoilerあり。

SFIがお休みで暇だった私は、
旦那の持っていた小説、吉本ばななのキッチンを初めて読んだ。

吉本ばななの作品って今まで読んだことなかった。
名前がふざけてるなーと思ってたから、あまり本に期待してなかったのです。

でも読み始めたら楽しくって2時間ぐらいで一気に読んでしまった!
この話の内容はとても暗く、家族が亡くなり天涯孤独になった女子大学生が
主人公。

ばななさんの何がすごいかって、こんな暗い話なのに文章が温かくて活気がある。
そのため、読者に「どんな辛いことがあっても生きるのは楽しい」と間接的に伝えてくれる。
それに、ばななさんは喩えを交えて情景を表現するのがとても上手いと思う。
唯一の家族であったはずのおばあさんが亡くなった後の家のむなしさ。
物から思い出す、家族と過ごした色々な情景。

わたしの家族は皆奇跡的に元気だけれど、
最近猫が2匹亡くなったばかりなので共感出来ることが多かった。

今まで普通にあった、その人や動物を感じさせる物が家にあると、
思い出がどんどんよみがえってくる。

わたしの場合は、よくこう思い返す。
「この紐でよく遊んでたなー」
「このソファーでよく爪研ぎしてたな」
「ソファーに座ったら、必ず膝に座りに来てたな」
「ベッドの下の右の方で、よく隠れてたなー」

家に帰ると、いつもそこに猫がいたから、ゆっくりドアを開ける癖がついてた。
もう猫はいないのに、反射的にまるでいるかのような反応をしてしまい、その後悲しくなる。ソファーの下を見る度に、未だにまだ隠れているような期待をしてしまう。

そこにいつもいたはずの人や動物がいなくなると、
当たり前の生活が実は当たり前じゃないことに気づく。
今までいつでも会えた人に突然会えなくなるのは、途方もなく辛い。
亡骸をみて、もう知ってるその人はいないと、実感する。


こうして、本を読むのもたまにはいいなと思ったのでした。

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